Chemical Abstracts Service(以下CAS)が 作成し、米国化学会(American Chemical Society=ACS)が発行している、世界中の化学分野・化学工学分野の文献を収録した抄録・索引誌です。1907年から2009年まで発行されており、世界中で発行されていた当該分野の文献の98%をカバーしています。
関西大学の所蔵は こちら のとおり、1957年から2000年までです。
※1985年vol.103までは一部のINDEXのみの所蔵なので注意!
本誌【WEEKLY ISSUE】が毎週発行され、半年分26号で1巻、1年で2巻となります。
1巻ごとに巻末索引【VOLUME INDEX】が、さらに10巻ごとに、それらをまとめた累積索引 【COLLECTIVE INDEX】が発行されます。
本誌【WEEKLY ISSUE】
書誌事項と抄録(論文の要約)が記載されています。
限られたスペースに多くの情報を掲載するために、抄録本文には略語が多用されています。これをきちんと読み解くことが重要です!
巻末索引【VOLUME INDEX】
一般事項索引【GENERAL SUBJECT INDEX】
統制語(※)で引きます。統制語は【INDEX GUIDE】で調べられます。
(※同形異義語・異形同義語などによる検索もれやノイズを防ぐために、予め規定された検索語彙)
化学物質索引【CHEMICAL SUBSTANCE INDEX】
CA索引名(※)で引きます。こちらも、不明な場合は【INDEX GUIDE】で調べておきましょう。
(※CASが定めた命名法に則って付けられた化学物質の名称)
分子式索引【FORMULA INDEX】
分子式で引きます。
巻末には環系索引【INDEX OF RING SYSTEMS】が収録されています。
著者名索引【AUTHOR INDEX】
著者(研究者)名や企業名で引きます。
特許索引【PATENT INDEX】
特許番号で引きます。日本の特許は、2000年までは和暦(昭○○、平○○など)、2000年以降は西暦で表記されています。
重要!【INDEX GUIDE】 |
『Chemical Abstracts』の構成で、もうひとつ重要なものが【INDEX GUIDE】、INDEXを使うための補助資料(用語ガイド)です。
概念語(普通名詞、思いついた言葉)から → 一般事項索引【GENERAL SUBJECT INDEX】を引くための「統制語」を調べる
化学物質の一般名・慣用名・商品名から → 化学物質索引【CHEMICAL SUBSTANCE INDEX】を引くための「CA索引名」を調べる
各累積期間ごとに発行されます。調査対象期間のものを使用しましょう。 |
調査の手がかりによって、使うINDEXが変わってきます。手順を図にすると以下のようになります。
一部、注意やコツが必要な箇所が上図「」です。
以下、順に説明します。
【INDEX GUIDE】を使いましょう!
概念語(普通名詞、思いついた言葉)、慣用名、商品名、化学物質の一般名などで直接各索引を引くことはできません。
まず【 INDEX GUIDE】を使い、「統制語」や「CA索引名」を調べます。
例1)物質の一般名からCA索引名を調べる
このCA索引名を使って【CHEMICAL SUBSTANCE INDEX】を引きます。
【CHEMICAL SUBSTANCE INDEX】を引く際の注意点は ポイント2 で!
例2)概念語から統制語を調べる
この統制語を使って【GENERAL SUBJECT INDEX】を引きます。
CA索引名は有機命名法によるものと異なり、〔基本骨格〕+〔置換基 他〕 になっています。
基本骨格 ⇒ 置換基等 の順に目的の物質を探します。
【例】 1H-Indole-3-acetic acid, 1-(4-chlorobenzoyl)-5-methoxy-2-methl-〔53-86-1〕
※ 置換の位置番号(数字)が異なると、違う物質になるので注意が必要です ※
概念語やCAS番号が併記されているので、それらで再確認をしましょう。
文献番号を確認するときに…
文献番号の前に P がついていませんか?
P があればその文献は特許です。
特許については こちら を参照。
本誌で文献情報を入手する
文献番号の アルファベットを除いた数字順 に本誌に記載されています。該当箇所を探しましょう。
文献番号の後に、論文タイトル、著者名、掲載情報(掲載誌名、巻号、ページなど) の情報があります。
限られたスペースに多くの情報を載せるため、抄録中の一部の単語や掲載誌名は省略形になっています。
掲載誌名の省略形(略誌名)についてはで! その他の略語については各号の冒頭部分に記載されています。
抄録などを参照し、この文献が読むべき文献/参考になりそうな文献/探していた文献かどうかを判断します。
略誌名に注意!
先述の通り、掲載誌名は基本的に省略された表記(略誌名)で書かれています。
文献情報の記述において、多くの場合、誌名は斜体(イタリック体)で表記されています。
また、省略されていることを表す「.(ピリオド)」が入っていることも「略誌名」であることの目印になるでしょう。
略誌名から正式誌名を、あるいは関西大学の所蔵(紙媒体)・契約(電子ジャーナル)を探すには こちら を参照してください。
◆ 『Periodical Title Abbreviations』vol.1 : by Abbreviations
その名の通り、略誌名から正式誌名を引くための資料です。
正式誌名がわかったら、KOALAで所蔵・契約を確認します。 最も確実な手段と言えます!
第17版(2007年発行) | 1階 書庫 | N8R * 027.5 * 1241 * 1 |
第14版(2003年発行) | 〃 | N8R * 027.5 * 1242 * 17-1 |
第11版(1998年発行) | B1 小書庫 1 | N8R * 027.5 * 8 * 1 |
◆『Chemical Abstracts Service source index』(CASSI)
ページ上部に略誌名があり、配列順は略誌名の順になっています。
見出しに正式誌名が書かれており、略誌名として記載されている部分が太字になっています。
◆KOALAで直接探す
一部の書誌データには、略誌名の情報も登録されています。
略誌名を、ピリオドも含めてそのまま入力してみましょう。関西大学に所蔵があり、なおかつ略誌名の情報が登録された書誌であれば、ヒットするかも!
ヒットがない場合、ピリオドを「*(アスタリスク)」にして、前方一致検索に切り替える方法もありますが、注意点やノイズ(不要な情報)も多くなります。
◆CiNii Booksで探す
「KOALAで直接探す」と仕組みは同じです。
検索対象が 関西大学の所蔵のみ でなく 全国の大学図書館の所蔵 なので、ヒットの可能性も高くなります。
CiNii Booksの使い方は、koaLABOガイド「CiNii Books:全国の大学図書館から「本」を探す」を参照してください。