2023/3/28 UP
こんにちは、ILL係です。
私たちILL係は、他大学の依頼を受けて資料の複写を行っていますが
出版年の古い雑誌を複写していると、ときどき困ることがあります。
それは、複写したいページに押された蔵書印や
おびただしい書き込みに出会ってしまうことです。
例えば、
関西大学の小さな蔵書印が文字の上にドン!と押されていて
文章の一部が読めなくなっていることがあります。
文字に重なるように「関大蔵書」の印が押されています
(伊藤正己「検閲はまだ生きている」、『自由』4号、p.13)
古い雑誌にはなぜかよくあることですが
他のページに十分な余白があるのに、なぜここに押しちゃうの……
と残念に思いながら、依頼館に資料の状態を伝えて
複写を希望するかどうか確認します。
そして、こちらもよく(?)見かける書き込みです。
他のページにも赤鉛筆による書き込みがたくさんあります
(本岡卓胡「浪花名物「櫓おこし」お家騒動実記」、『話』5(10)、p.182-183)
鉛筆による書き込みは消しゴムで消すことができますが
色鉛筆や蛍光ペンで線が引かれていたり、
文字が書き込まれていると修復は不可能です。
あまりにもひどい場合は、こちらも依頼館に状態を伝えて
複写は提供できないとお断りします。
古書の場合、旧所有者による書き込みは学術的価値がある、
と評価される場合もありますが
図書館の資料に書き込むのはマナー違反です。
勉強していてちょっとメモ代わりに書き込みたいと思っても
次に使う人のことを考えて、その手を止めてください。
どうぞみなさまは、図書館資料への書き込みは行わないようお願いします。〔Y〕
◆紹介した雑誌の書誌詳細
自由
「自由」編集委員会. -- 創刊号 (昭34.12)-13号 (昭35.12) ; 3巻1号 (昭36.1)-51巻2号(平21.2). -- 至誠堂, 1959.
話
1巻1號 (昭8.4)-8巻5號 (昭15.5). -- 文藝春秋社, 1933.