先月13日、詩人の谷川俊太郎さんが亡くなりました。92歳でした。
谷川さんは1931年に東京都で生まれ、1952年に詩集『二十億光年の孤独』でデビューしました。以降、詩に限らず、翻訳やエッセイなど、幅広いジャンルで創作活動を行ってきました。詩に限っても、生涯で数千作もの作品を発表したそうです。
作詞も手掛けていた谷川さんは、合唱曲の定番でもある『生きる』や『春に』なども作詞しています。これらの曲は中学・高校時代に歌ったことがある人もいるのではないでしょうか。
わたしたちの生活に浸透するほど、詩を親しみやすいものにしてくれた谷川俊太郎さん。今月は、そんな谷川さんに関する著作を採り上げました。
著者自身によって選ばれた自らの詩集。文庫サイズなのでかさばらず、持ち運びにも便利です。詩に触れてみたいという方には、まずこちらをオススメします。(E)
現代を代表する詩人と歌人の対談集。二人の詩と短歌にかける思いの他、言葉そのものへの深い洞察にあふれたお話を聞くことができます。(E)
マザー・グースの翻訳本。なかにはゾッとするような歌もありますが、谷川さんのリズミカルな言葉の数々のおかげで、思わず口ずさみたくなります。(Y)
現代を代表する作家として、谷川さんへのインタビューが収録されています。少年時代の思い出や詩を作る際の心持ちなど、他では聞けないエピソードが満載です。(E)
スヌーピーで有名な漫画『ピーナッツ』の完訳も彼の偉業のひとつ。禅問答のような難解な原作も、細やかな日本語遣いによって鮮やかに紐解かれている。(S)
生きる
谷川俊太郎詩 ; 松本美枝子写真
合唱曲にもなった『生きる』の詩を用いた写真詩集。谷川さんの亡くなられた今だからこそ、よりいっそう『生きる』の一語一語が深く心に染みます。(E)