メディア資料には、図書や雑誌とは違った(そしてフクザツな)著作権があります。新しいメディアが次々と生まれる中で、法律も徐々に変わってきました。図書館利用に関わる身近な質問から、注意すべきところを見てみましょう。
CD、DVDにカセットテープやVHSなど、いろいろなメディアがあります。公共図書館では音楽CDやDVDなどの、さまざまなメディアを扱っておりますが、関西大学図書館で所蔵するメディア資料の種類は限られています。著作権法では、メディア資料の中身(何が収録されているか)で扱いが異なり、大きく二つの種類に分けられます。
・音楽(映画以外) #CD、カセットテープ、レコードなど
関西大学図書館がCDやカセットテープで所蔵している主な資料に、文学作品の朗読のCDや、英語の音声CDなどがあります。歌も朗読も、法律的には同じ「”映画以外“の著作物」として扱われます。
・映画 #DVD、VHSなど
関西大学図書館では、映画や教育用の映像教材なども所蔵しています。これらは「映画(動画)の著作物」といい、音楽などの著作物の権利とは別の定めがあり、より厳しいものとなっています。
映画やドラマのDVDが貸し出しできないのはどうして?英語の本の付録CDは借りられたのに。
Answer:
・映画やドラマのDVDは「映画の著作物」とされ、「頒布権」という強力な権利を持ちます。図書館が無断でバラまくことは厳禁、つまり、貸し出すことができません。【著作権法第26条・頒布権】
・映像ソフト販売会社が著作権処理済として販売している作品を購入すれば、図書館でも貸出が可能です。しかしすべてのDVDを著作権処理済作品にそろえることは不可能なので、関西大学図書館では一律貸し出し不可としています。
・付録CDでも、出版社から貸し出し禁止の指定があるものは、貸し出しできません。館内視聴のみとなります。これらのメディア資料は、一つ一つ図書館で著作権の確認を行っています。
図書館が所蔵しているDVDを、ラーニング・コモンズでの授業で使いたいです。
プロジェクターで上映して大丈夫ですか?
Answer:
・大学の授業であれば問題ありません。【著作権法第38条第1項・営利を目的としない上演等】
・プロジェクターでもパソコンでも大丈夫ですが、コピープロテクトを解除してパソコンにダウンロードすると、違法です。ご注意ください。
・ラーニング・コモンズへの持ち出しは、教員のみ可能です。
図書館で借りたCDをコピーして、友人に貸してもいいですか?
Answer:
・個人的に使用する目的であれば、コピーができます。【著作権法第30条第1項・私的使用のための複製】
・コピーしたものを友人に貸すこともできます。【著作権法第38条第4項・営利を目的としない上演等】