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らいぶらりログ ―ILL係の見た図書館: 絵すごろく-レトロ遊戯にふれてみる-

日々、文献のコピーと貸借本の発送にいそしむILL係が、作業中に出会った魅力的な情報をレポートします。

絵すごろく-レトロ遊戯にふれてみる-

2020/12/21UP

こんにちは。ILL係です。

子どものころ、お正月に双六(すごろく)で遊んだ思い出はありますか?

今日紹介する資料は、関西大学図書館で所蔵している絵すごろくです。

 


(「新撰各県産物運送双六」 吉岡久一, 1893.)

※画像をクリックすると拡大できます。

 

こちらは振り出しの京都府(画面左下)からスタートして、

日本各地38か所の物産が書かれたマス目を進んで上りの東京府1 を目指す、

明治時代に刷られた絵すごろくです。

 

大阪の名所を廻る、こんなすごろくもあります。

梅田停車場(大阪駅)や天保山、造幣局、道頓堀などの名所が描かれています。


(「大日本大阪名所廻双六」東新太郎, 1904.)

これらは振り出しからスタートして、サイコロを振って出た目の数だけ進んで上りを目指すので、

「廻り双六」と呼ばれています。

 

ほかにも「飛び双六」と呼ばれるものがあります。

マス目には「1が出たら◯◯の絵に進む」など、サイコロの目によって移動先が示されていて、

「廻り双六」のように順に進みません。


(「八犬傳出世雙六」一鴬齋國周画. -- 遠州屋彦兵衛, 18--.)

こちらは浮世絵師の豊原國周(1835-1900)によって描かれた

「南総里見八犬伝」のストーリーをモチーフにした「飛び双六」です。

八犬伝の名場面に27人の人物を配していて、振り出しは左下の巻物を持っている人物です。

ここからサイコロを振って、右上の上りの看板が掛けられている「芳流閣」を目指します。

江戸時代には多色刷りの技術が発達し、絵師によって多くの色鮮やかな絵すごろくが描かれました。

 

最近はスマートフォンのゲームアプリや、オンラインゲームが主流のようですが

たまには図書館で、レトロなものに触れてみませんか?

(※掲載されている画像の無断転載、無断引用はご遠慮ください。)

 

今回紹介した絵すごろくは総合図書館 B2書庫に所蔵されていますが、

すべて禁帯出資料のため貸出はできません。

絵すごろくに関する資料も図書館で所蔵していて、こちらは貸出ができます。

いろいろな種類の絵すごろくが掲載されているので、ぜひご覧ください。〔Y〕

表紙
絵すごろく : 生いたちと魅力 / 山本正勝著. -- 芸艸堂, 2004. 別ウィンドウで開く


江戸の遊戯 : 貝合せ・かるた・すごろく / 並木誠士著-- 青幻舎, 2007. -- (大江戸カルチャーブックス). 別ウィンドウで開く

日本絵双六集成 / 高橋順二編著-- 新訂版. -- 柏美術出版, 1994. 別ウィンドウで開く

 

◆紹介した絵すごろくの書誌詳細
新撰各県産物運送双六 /  吉岡久一, 1893 別ウィンドウで開く
大日本大阪名所廻双六 / 東新太郎, 1904 別ウィンドウで開く
八犬傳出世雙六 / 一鴬齋國周画. -- 遠州屋彦兵衛, 18--. 別ウィンドウで開く

 

◇総合図書館の開館時間はこちら
https://opac.lib.kansai-u.ac.jp/?page_id=17193 別ウィンドウで開く

◇書庫の利用方法はこちら
https://kansai-u.libguides.com/c.php?g=753401&p=5396987#s-lg-box-wrapper-20047639

 

■注
1.東京府は1868年(明治元年)から1943年(昭和18年)までの間に存在していた府県の1つで、
現在の東京都の前身です。

このガイドの作成者

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図書館  ILL係
ILL係とは、「学外相互利用(ILL)」業務を一手に引き受けている、図書館の中のセクションのひとつです。 もっと気軽にILLを活用してほしいという思いを込めて、いろいろな角度からILLの便利さ、奥深さ、コツ、ツボを、皆さんにお伝えいたします。