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らいぶらりログ ―ILL係の見た図書館: 春の雪 -江戸なぞなぞ-

日々、文献のコピーと貸借本の発送にいそしむILL係が、作業中に出会った魅力的な情報をレポートします。

春の雪 -江戸なぞなぞ-

2022/03/23 UP

こんにちは。ILL係です。
学外相互利用の申し込みがあり、書庫で資料を探していると
思いがけず面白い資料に出会うことがあります。


(左上)なぞなぞ春の雪 / 十方舎一丸[著]. -- [出版者不明],  [1---]
(右上)なぞなぞ春の雪 / [長谷川]貞信[著] ; 貞信画. -- 冨士屋政七,  [1---]
(下)謎々春の雪 / 一荷堂半水編. -- 第2編. -- 冨士屋政七 , [出版年不明]

 

これらは江戸時代に庶民の間で流行した「なぞなぞ」の本です。
「なぞなぞ」といっても現在の『食べると安心するケーキはなぁに?』1のような
可愛らしいものではありません。
『何々と掛けて 何々と解く その心は....』というかたちの謎かけもので
お題にある二つのキーワードに共通する言葉は何か、という言葉遊びです。


今中宏編「教諭謎々春の雪:一名画本なぞなぞ合」(p.10)に掲載されている謎かけの一つ目には

『上手の碁しやうぎトかけて 袖口のないきものトとく 心は手が出されぬ』

と書かれています。
囲碁や将棋の対戦相手がプロ並みに上手すぎるから。着物の袖口が開いてないから。
どちらも手が出せない!ということのようです。


(教諭謎々春の雪:一名画本なぞなぞ合 / 一筆案画作 ; 今中宏編. -- 江戸芸術社, 1957年, p.10, p.16)


謎かけはくずし字で書かれているため簡単には読めないのですが
この資料は「教諭謎々春の雪」を現代の文字に書き直しているため
すべての謎かけを読むことができます。
 

ところで、
今回紹介した資料のタイトルにはすべてに「春の雪」とあります。
なぜこのようなタイトルなのか、こちらの資料を見てみると....


(謎々春の雪 / 一荷堂半水編. -- 第2編. -- 冨士屋政七 , [出版年不明], 4丁ウラ)


一荷堂半水編「謎々春の雪」(4丁ウラ)に次のような謎かけがあります。

『謎がけの本とかけて 春の雪ととく こころは とけやすい』

春の雪はすぐに溶けてしまうことから、(謎が)すぐ解ける....
という洒落になっているようです。
くずし字辞典を片手に、江戸のなぞなぞに挑戦してみませんか。〔Y〕

 

◆書誌詳細
なぞなぞ春の雪 / 十方舎一丸[著] -- [出版者不明], 1---.別ウィンドウで開く
なぞなぞ春の雪 / [長谷川]貞信[著] ; 貞信画 -- 冨士屋政七, 1---.別ウィンドウで開く
謎々春の雪 / 一荷堂半水編 -- 第2編. -- 冨士屋政七.別ウィンドウで開く
教諭謎々春の雪:一名画本なぞなぞ合 / 一筆庵画作 . -- 江戸芸術社, 1957. -- (大江戸文庫;1)別ウィンドウで開く

 

■なぞなぞの答え
ホットケーキ(安心するケーキ=ホッとするケーキ)

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図書館  ILL係
ILL係とは、「学外相互利用(ILL)」業務を一手に引き受けている、図書館の中のセクションのひとつです。 もっと気軽にILLを活用してほしいという思いを込めて、いろいろな角度からILLの便利さ、奥深さ、コツ、ツボを、皆さんにお伝えいたします。