2022/9/28 UP
こんにちは、ILL係です。
ほとんどの本や雑誌は購入した人が読みやすいように
すべてのページがめくれるようになっていますが
なかには天や小口が閉じたままの、袋とじ状態の本が存在します。
天と小口が裁断されず袋状になっている本。このままでは読むことができません。
これは製本時の裁断ミスではありません。
このようにページを閉じた状態で製本したものを
「アンカット」といいます。
アンカット本は薄い簡単な表紙がつけられているので
ヨーロッパでは読者がアンカット本を購入したら
自分好みの豪華な表紙をつけて再製本する習慣があったようです1。
私たちも書庫に行くとアンカット本に出会います。
もちろん、このままでは読むことができないので、
袋とじ部分を開く必要があります。
私物の袋とじの本は、ページをカットする時のワクワクドキドキ感を楽しめますが
図書館資料はみんなの共有財産なので、カットに失敗したら大変だ!
というハラハラドキドキ感しかありません....。
しかも、それが学外相互利用で他大学からお借りしている本なら尚更のこと。
カッターやハサミではなく、ペーパーナイフを使用して慎重にページを開いていきます。
関西大学図書館にあるペーパーナイフのひとつ。刃先はカッターほど鋭くないのでコツがいります。
大学によって誰がページをカットするか、ルールが決められていますが
関西大学図書館では、利用者自身に読みたいページのカットをお願いしています。
利用したい資料がアンカット本だったときは
お近くのカウンタースタッフにお問い合わせください。〔Y〕
◆所蔵詳細
Le notaire du Havre
Georges Duhamel. -- Mercure de France, 1933. -- (Ouvrages de Georges Duhamel).
■注
1.「アンカット」. 日本図書館情報学会用語辞典編集委員会編.『図書館情報学用語辞典』(第5版). 2020. p.6