2021/3/17UP
こんにちは。ILL係です。
明治時代に出版された絵入りの本に「ちりめん本」と呼ばれているものがあります。
「ちりめん本」とは、和紙を何度も揉むことで細かくシワを寄せて、
織物の縮緬(ちりめん)生地のような手触りに加工した和綴じの絵本のことです。
日本の昔噺や文化を外国語で紹介しています。詳しくはこちら。
この資料は縦の長さが16~20cmとサイズが小さいため
複写をするときは手が写り込まないように工夫が必要で、けっこう苦労するのですが
画像を見てみるとわかるように、色彩が美しいのでちょっと癒されます。
(※画像をクリックすると拡大します)
「ちりめん本」は英語だけではなく、フランス語やスペイン語などでも刊行されています。
昔噺でおなじみの「桃太郎」にも英語版とスペイン語版があり、図書館に所蔵されています。
(左) Momotaro : or Little peachling / told in English by Kate James -- Hasegawa Shoten, 1932. (英語版)
(右) Momotaró : ó el hijo del melocotón / [traducción de Gonzaro J. de la Espada] -- Hasegawa Shoten, 1914. (スペイン語版)
こちらはスペイン語で書かれた「猿蟹合戦」です。
La batalla entre monos y cangrejos / [traducción de Gonzaro J. de la Espada] -- Hasegawa Shoten, 1914.
表紙を見ると、主要な登場人物である猿とカニではなく、
カニの敵討ちに協力する臼、杵、蜂、そして卵が描かれています。
卵がどのように活躍するのか、そして物語のラストで猿はどうなってしまうのか。
みなさんが知っている「猿蟹合戦」とは少し違っているかもしれません。
ぜひ、ちりめん本の手触りとともに、実物で確認してみてください。〔Y〕
◆書誌詳細
Momotaro : or Little peachling / told in English by Kate James -- Hasegawa Shoten, 1932. (英語版「桃太郎」)
Momotaró : ó el hijo del melocotón / [traducción de Gonzaro J. de la Espada] -- Hasegawa Shoten, 1914. (スペイン語版「桃太郎」)
La batalla entre monos y cangrejos / [traducción de Gonzaro J. de la Espada] -- Hasegawa Shoten, 1914. (スペイン語版「猿蟹合戦」)
◇ちりめん本の詳細はこちら
「関西大学図書館 電子展示室 ちりめん本」
http://kul01.lib.kansai-u.ac.jp/library/etenji/chirimen/index.html
※今回紹介したちりめん本は電子展示室では公開されておりません
◇関西大学総合図書館の開館時間はこちら
https://opac.lib.kansai-u.ac.jp/利用サービス/開館カレンダー
◇書庫の利用方法はこちら
「書庫に入るにはどうしたらいい?」
https://kansai-u.libguides.com/c.php?g=753401&p=5396987#s-lg-box-wrapper-20047639